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相続した土地の評価額とは?調べ方を伝授!

相続した土地に、どれほどの価値があるのかは知っておく必要があります。それは、土地にかかる税金の計算や不動産の売却金額は、その土地の評価額を元にして計算されるからです。その評価額には種類があって、それぞれに用途や計算方法が異なるため、どれを参考にすれば良いのか迷ってしまう方もいらっしゃるでしょう。

この記事では相続した土地と建物の評価額についての知識、種類別の用途と計算方法、相続時に評価額が減額となるケースを紹介します。

この記事のポイント

  • 相続税で課税される財産は「時価」が基本とされる。
  • 土地の評価方法は「路線価方式」と「倍率方式」の2種類。
  • 評価額の調べ方と算出法は6種類あり、用途によって使い分けられている。
  • 評価額は減額できる場合がある。

土地の評価額とは?

土地の評価額は「不動産評価額」とも呼ばれていて、その土地価格の目安を数値化したものです。評価額には6種類あり、これらは使用目的や用途に合わせて使い分けられ、計算方法や評価額が異なります。土地の評価額を把握しておくと、相続で発生する相続税や固定資産税、売却時の金額を決める際の算定に役立ちます。

不動産鑑定士に依頼すればきちんとした評価額が分かりますが、手数料も30万円ほどとかなり高額です。土地の評価額は方法さえ知っていれば自分で簡単に算出できますので、相続した不動産を売却する際にもタイミングを見計らって高く売りに出すことができます。

家を売却する時の流れ

家は売りたいと思っても、すぐに売れるものではありません。家を市場に出してから買主に引き渡すまで、3ヶ月〜半年、最長で9ヶ月はかかります。売却すると決めたら事前にしっかりと情報を集めて下調べをし、スケジュールを組んでおくようにしましょう。

手順

①おおよそのスケジュールを立てる。
②相場価格を調べる。
③不動産会社へ査定を依頼。査定は1社ではなく数社に依頼する。
④相場価格と査定価格に大きな違いがないか確認してから売出し価格を決める。
⑤仲介を依頼する不動産会社と契約。
⑥買主と契約。
⑦家の引き渡し。

土地の評価方法の種類

土地の評価方法は、大きく分けて「路線価方式」と「倍率方式」の2種類があります。これは財産ごとの評価方法を定める「財産評価基本通達」に基づいたもので、自宅の敷地を評価する方法です。路線価が定められている地域では路線価方式で、定められていない地域では倍率方式で評価します。

路線価方式とは

路線価方式は、路線価が定められている地域の土地の相続税評価方法です。路線価とは毎年7月に国税庁が発表する路線(道路)に面する標準的な宅地の1㎡あたりの価格で、千円単位で表示されます。路線価に評価したい土地面積を乗じて算出した数字が、概算の相続評価額となります。

倍率方式とは

その土地に路線価が無い場合に使用されるのが、倍率方式です。固定資産税額に国が定めた一定の倍率を乗じて求められて、大概は路線価評価よりも低くなります。

減額要素とは

減額要素とは、対象となる土地を調査したうえで評価が下げられそうな要素(原因となること)のことです。相続税は算出された土地の評価額により決められますが、土地の形状や環境などで減額が可能な場合があります。

たとえば、

 

・不整形地(形の悪い土地)や入り口が狭い土地
・私道がある土地、将来道路拡張の可能性がある幅4m以下の道路に面した土地
・土地に2棟以上建物が建っている土地
・傾斜地
・賃貸住宅や法人の建物が建つ土地

 

などです。

時価と評価額の差の影響とは

時価と評価額の差で影響があるのは、相続税です。財産評価は時価算出が原則のため、評価額よりも時価のほうが高い場合は相続税も高くなります。財産評価は毎年1月1日の市場価格が基準とされて、不動産会社の査定額はおおよそ3ヶ月を目途とする市場価格のため、2つの評価額に差が生じてしまうのです。

土地評価額の調べ方と計算方法

前述したように土地評価額は6種類あり、使用する目的と用途により使い分けられます。ここからは実際の土地評価額の調べ方と計算方法を説明しましょう。

実勢価格からの調べ方

実勢価格とは、土地の売買が成立したときの価格で市場価格と考えると分かりやすいでしょう。たとえば、3,000万円で売り出された土地が、最終的に4,000万円で売れた場合、実勢評価額は4,000万円となります。価格には、立地や面積に加えて周辺の環境(方角、駅までの距離や傾斜があるなど)と、相場状況などが影響します。同じような条件の土地が、どれくらいの価格で取引されているかを知りたいときの参考価格です。

調べ方

・不動産会社の査定価格
・国土交通省が公開する土地情報システム

を利用します。正確な評価額が分かるのは「不動産会社の査定価格」です。「土地情報システム」は過去の取引記録が保管されているため、実際の価格(時価)とは異なります。

計算方法

実勢価格の大まかな目安

・路線価÷0.8×1.1
・固定資産税評価額÷0.7×1.1

公示価格からの調べ方

公示価格は、国土交通省が毎年公表する土地の価格で、毎年1月1日から調査が開始され3月下旬に公表されています。正式には「地価公示価格」と呼ばれ、土地取引の売買時の価格や税金計算などで参考にされる価格です。

調べ方

・国土交通省の公式サイトの「標準値・基準値検索システム」から知りたい場所を選び、条件を入力して確認する。

路線価からの調べ方

路線価を使って、土地の相場価格が算出できます。これを用いて出された価格は、別名「相続税評価額」とも呼ばれる相続税と贈与税の算出根拠です。一般的には、実勢価格よりも3〜4割低く、路線価がない地域では倍率方式で計算されます。

調べ方と算出方法

・国税庁の路線価図に記された価格を用いて計算。
土地の価格相場=(前面道路の路線価÷0.8)×掛け目(1.1〜1.7)

固定資産税評価額からの調べ方

固定資産評価額とは、固定資産税を決める際に基準となる評価額のことです。基本的に、各市町村が「固定資産評価基準」に基づき決定します。

調べ方・計算方法

・固定資産税納税通知書
・固定資産税台帳
・固定資産評価証明書

 

固定資産評価基準は固定資産の種類により異なりますが、土地の評価額は土地の時価の約70%で、所有する土地の形状や場所、面積などを考慮のうえで減額されていく方式です。

基準地価からの調べ方

基準地価とは、各都道府県が主体となり毎年7月1日を基準に調査して算出した評価額で、9月に公表されます。評価の対象は、全国にある約2万地点の「基準値」です。評価方法は公示価格とほぼ同じで、基準値も同じ地点のものがあるため、公示価格と基準価格を比較して半年ごとの評価(相場)の動向が伺えます。

調べ方

・国土交通省サイトの「国土交通省地価公示・都道府県地価調査」
・各都道府県のホームページ

 

などで調べることができます。

不動産鑑定評価額からの調べ方

不動産鑑定評価額とは、名前のとおり不動産の専門的な知識を持つ不動産鑑定士が、土地と建物の適正な価値を算出した評価額です。相続税の申告で土地評価を下げたいとき、生前贈与、負担付贈与を行うとき、相続や離婚で財産分与をするとき、相場がわかりにくい特殊な不動産の売買などに役立ちます。

調べ方・計算方法

国家資格を持つ不動産鑑定士に依頼して算出してもらいます。鑑定には専門的な調査と分析が必要で、依頼してから数週間〜1ヶ月程度かかり、費用は10〜30万ほど必要です。

相続における建物評価額

相続した不動産は、土地と建物それぞれに分けて評価額を算出せねばなりません。ここでは、建物評価額について説明します。

建物の評価額は固定資産税評価額と同じ

不動産を相続すると気になるのが相続税ですが、一体どれくらいかかるのか心配ですよね。被相続人が住んでいた建物を相続した場合の評価額は、「固定資産税評価額」と同じです。これは、毎年市町村から送られてくる「固定資産税課税証明書」に記載されているため、簡単に確認できます。

建物の評価額の計算の仕方

建物の評価額の計算は、建物の固定資産税評価額と同じであるため、評価額に×1をするだけです。つまり、固定資産税評価額そのままということになります。

相続時、評価額を減額できる場合がある?

相続した土地の評価額が減額できれば、相続税を下げられて節税になります。それでは、どのようにすれば土地評価額を減額することができるのでしょうか?ここでは、評価額が抑えられる2つの例をご紹介しましょう。

小規模宅地等の特例が利用できる場合

1つ目は、「小規模宅地等の特例」です。これは、被相続人(故人)と一緒に居住・事業用として使っていた宅地などが小規模宅地であれば、最大80%まで評価額が軽減できる特例です。この特例が使えるか否かで、相続税が数百万円、数千万円単位で変わってきます。

条件は厳しく、下記条件のうちいずれかに該当する必要があります。

 

・「特定居住用宅地等」
被相続人が住んでいた土地で、被相続人と生計を共にしていた配偶者または親族が取得した土地。

 

限度面積330平方メートル
減額割合80%

 

・「特定事業用宅地」
被相続人、生計を共にしていた親族が事業をしていた土地。事業とは、自分の店を持ち商売しているとイメージすれば分かりやすいでしょう。

 

限度面積400㎡
限度割合80%

 

・「貸付事業用宅地」
被相続人、生計を共にしていた親族が貸付をしていた土地。貸付とは賃貸アパートや貸駐車場等です。

 

限度面積200㎡
減額割合50%

 

不整形地の土地の場合

相続した土地がいびつな形状をしていると、綺麗な形の土地に比べて使いにくく、この場合も評価額の減額が可能です。相続税評価においては「不整形地補正率表」を利用し、最大40%減額ができます。このような相続税の減額につながる条件が存在するため、不動産を相続した場合は何かあてはまる条件や方法がないかを確認してください。

相続した土地の評価額がしりたいなら地域密着の不動産会社に相談しよう

この記事では、相続した不動産の評価額についてご紹介しました。不動産の評価額は、相続税や不動産売買の価格にも関わるため非常に重要です。相続税の節税や登記の仕方など、相続手続きには複雑で難しい知識も必要となるため、一般の方だけで行うには負担が大きくなってしまいます。

相続した不動産に関わることは、ぜひ「株式会社リデア」にご相談ください。地域の情報に精通した地域密着型の不動産会社で、税理士、司法書士、弁護士と連携を取りながらお客様にご満足いただける結果が出せるよう精一杯サポートいたします。ご相談や査定は無料で行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

 

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